業 界 再 編 の 予 感2006年04月08日 14時33分27秒

普段の生活で、誰もが薬のお世話になっています。
昨今では、食生活だけでは栄養が偏る事を鑑み、栄養機能食品―サプリメントがブームになって久しく、次から次へと新しい成分が出てきて、本職でも情報収集が大変じゃないでしょうか?
こういったものは主にテレビ、具体的にはおもいっきりテレビとかあるある大辞典で紹介されると爆発的に売れ行きが上がります。
ドラッグストアではこういった情報番組をチェックして仕入れを行っているほど。

そんな中、「αリポ酸」という成分が人気です。
αリポ酸、チオクト酸、は生体内にも存在する化合物です。
命名すると”1,2-dithiolane-3-pentanoic acid”となり、5員環にジスルフィドをもち、さらに3位(S原子のとなりの炭素)から炭素数5の側鎖が伸び、末端はカルボキシル基。
ジスルフィドを持つので抗酸化作用が期待され、実際にビタミンCの400倍近い抗酸化作用だそうです。
(と言う事はビタミンCの400倍の反応性?)

さて。
こういった商品は食品衛生法の監視下に置かれ、様々な規制を受けます。
内容物はもちろん、表示にも決まりがあります。

食品衛生法施行規則第21条第3項
特定保健用食品及び栄養機能食品以外の食品にあってはそれら食品と紛らわしい名称、栄養成分の機能及び特定の保健の目的が期待できる旨の表示を、栄養機能食品であって特定保健用食品でない食品にあっては特定の保健の目的が期待できる旨の表示をしてはならない

また、栄養機能食品の兄貴分にもあたる医薬品や医薬部外品は、薬事法の規制を受けます。

薬事法第66条第1、3項
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

とあります。
”特定の保健の目的”とは具体的に○○に効く、という事をパッケージに書いちゃダメ、ということです。
”虚偽又は誇大な記事”の広告、記述、流布の禁止。こちらは医薬品等ですが、嘘や大げさな事はパッケージに書いてもダメだし宣伝もダメ。”絶対効きます!”みたいなのはアウトかな?
”わいせつな文書、図画”の禁止。これはもう当たり前です。
このように、医薬品等や栄養機能食品は、パッケージまで法律で厳しく管理されているのです。



なんでこんな事書いているのかというと。
こういうものが発売されるようなのですわ。


とうとうこっちにも来たかっ・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!


商品詳細が分からないのですが、製作者コメントで”薬事法が~”と発言している事から、もしかしたら医薬部外品?とか勘繰ってしまいます。
医薬部外品の製造販売というのは許可制で、販売者が品質管理を行う事が要件です。なんぼ上場企業とはいっても未開拓分野へいきなり進出と言うのは考えにくいので、多分ふつーのサプリメントだと思います。
なお、栄養機能食品なら基準を見たしていれば国や都道府県への申請はしなくても製造・販売は出来るそうです。
万が一医薬部外品だとしても、写真を見る限りでは薬事法に違反するような事はないのだろうとは思うのですが、審査する国や都道府県も頭が痛かろうと思います。
(前例がないパッケージなので判断基準への適否が判定しにくい、という意味)
このケースだと、中身は他の会社の製品を用い、パッケージだけ自社管理、というパターンでしょうね。

ともあれ、関係ないと思われていた分野が医薬・食品業界に進出してきたと言うのは注目したいところです。
もしかしたら、規制緩和で包装や広告の基準が変更されて将来の医薬品などのパッケージにはそういうものが採用されたりするのかもしれませんね個人的にはご勘弁願いたいのですけど。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://femoralfracture.asablo.jp/blog/2006/04/08/319949/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。