食品添加物の恐怖・・・?2006年04月12日 00時39分19秒

[videonews.com] 丸激トーク・オン・ディマンド更新しました
by MIYADAI.com Blogさま

「VIDEONEWS.COM」にて食品添加物についてのトークがありました。
私はプレビュー版までしか見ていないうえに、講師である安部氏の著書も読んでいないので、話途中でのコメントになってしまうことはご容赦ください。


VIDEONEWS(プレビュー版)では、安部氏が食添の説明をし、その場でとんこつスープを作ってみせています。
正直、感動しました。すげぇ。
ほとんど秤量もしないでぱっぱっとスパーテル(薬さじ)で入れただけで出来ちゃうんだもの。まさに魔法使い。



で。
トーク中、気になることがありました。
メインパーソナリティの神保氏からこういう言葉が。

これって野菜から作るんですか?工業製品なんですか?

これ、何気ない一言だと思うんですけど、実は”物”をどう捉えるかが如実に出るところなんですよね。
多分、食品については”自然”は良しとして”工業製品”は悪しきもの、というイメージがあると思います。昨今のスローフードブームからも分かるように、自然回帰主義的な考えが強くなっていますし。
しかしそれは、製品に対して”消費者の”品質管理意識が低下するという危険性をはらんでいると思います。
例えば、農薬の危険性があまりにも叫ばれたせいで、逆に”無農薬”とつけば安心してしまう。
”自然”だから大丈夫。
”工業”だから危ない。
危険な考え方です。”○○だから大丈夫!”と昔の某番組でよく聞いた様なフレーズに騙されてしまう。

これが如実に現れるのが”漢方薬”に対するイメージでしょう。
多分漢方薬のイメージは、苦い、古い、効き目が穏やか、安全、年寄りが飲むもの、などじゃないでしょうか?
しかし小柴胡湯とインターフェロンの相互作用によって、間質性肺炎で十数人死亡している事例から、”自然”の生薬から作った漢方薬は決して穏やかでも手放しで安全と言うわけでもない。
(もっとも、この症例は漢方的な診断・処方に基づいてないために起きた例であり、決して小柴胡湯だけが危険だというわけではない)
私が学生の時に、大黄甘草湯を飲んだら下痢が酷くて脱水症状になりかけた人がいました。症状がまだ軽い人(漢方用語で陽病期)に処方する漢方は、結構強いものがあるので注意が必要です。

”自然”というのはあくまでも製品の情報の一つでしかなく、品質の全てを担保する魔法の言葉ではないという事を意識すべきです。



話を添加物に戻します。

添加物については、私もあまり入っていないほうがいいだろう、とは思いますが・・・現在の食生活全般を考えると、添加物が無い食品と言うのは考えられないのも事実です。
それに添加物にも種類があり、ヒトへの影響の大きいものと小さいものがあります。それらを全て悪者扱いするのはムリがあるでしょう。
例えば、味を調えるために用いるクエン酸やリンゴ酸。これらの添加物は、生体内にも存在する物質ですから、人体への悪影響はほとんどないのではないかと思います。

ちょっと気になるのが”保存料”と”防カビ剤”です。

保存料の多くは安息香酸誘導体で、発がん性と変異原性が認められるということですが、食品中の濃度との兼ね合いもあるので一概に”食べたら危険!”だとは言い切れません。
ルートビアの一つには安息香酸メチルが大量に入っているものがありましたが、それは添加物以前に味の問題があるので大量摂取は非現実的かと思います(でもアメリカの子供はふつーに飲んでいるんですよね・・・)。

問題は防カビ剤です。
主に原材料(米、小麦粉、野菜、果物など)の輸送において使用されますが、これが直接ぶっ掛けられるのはかなり危険です。
ポストハーベスト農薬の危険性は以前から叫ばれています。日本国内では使用禁止だそうですが、輸入品は気をつけたほうがいいでしょうね。
防カビ剤のOPP(o-phenylphenol)などは、構造見た時点で「ちょっとヤバくね?」と考えちゃうようなもので、そんなもんが米や小麦粉に直接掛かってると知ったら、さすがに怖くて食べられません。
加工食品だけじゃなく、生の食品にまで添加物の心配をしないといけないと言うのは・・・食の安全性からみて大問題だと思うのですが。



さて。
このように、種々の迫害を受けている食品添加物ですが、食添プロフェッショナル安部氏の姿勢は以下の通り。

むしろ問題は、食品表示もろくに見ずに添加物を平気で子供に食べさせている親たちの意識の方だと安部氏は言う。現行の食品表示法制には弱点はあるものの、添加物がどの程度使われているかは、食品表示を見ればある程度わかるようにはなっている。それをろくにみもせずに、安直に添加物漬け生活を送る人が多すぎると言うのだ。

・・・・・その通り!

コンビニ弁当などを見ると食品添加物の表示はあります。残念ながら使用量は分かりませんが、どういうジャンルのものを用いているのかは大体分かります。
それを見もせずに添加物漬けの食生活を送るのは良くないし、さらに添加物が悪いと喚きたてるのはもっとタチが悪い。
予想ですが、食品にどんな添加物があるのかまでは見てくれるでしょうけど、その添加物がどう体に悪いのか調べる方はごく少数でしょう。さらに定量的に摂取量との相関まで調べる人はもっと少ない。
添加物に文句を言うならば、少なくともそのぐらいは調べないと意味を成さないでしょうね。

付け加えると、添加物濫用を招いたのは現代生活そのもの、つまりは自分自身にツケが回ってきている事も考えるべきではないかな。



では。どうやって添加物と付き合っていくか。

一つ目は使用されている添加物をきちんと把握する事。
これは食品メーカーの努力と消費者の意識が合致しなければ出来ません。また官公庁は添加物摂取量と危険性を定量的に判断できるようなものを作る。食品表示と一日摂取量を勘案して、納得した上で消費するのが望ましいと思います。
もっとも、いきなりやるとコンビニ弁当不信になってしまうので、緩やかに。

二つ目は、不要な添加物を使わなくする事。
防カビ剤などは輸出入に時間が掛かるから使うわけで、それらをクリアすれば必要ない、つまりロジスティクスの発達で添加剤を減らせる。またパッケージの改良によっても保存料を減らせるだろうし、発色剤などは消費者が本来あるべき食品の外観を知っていれば必要ないはず。
逆の発想として、添加物の改良でより安全性の高いものを開発する、という本末転倒な事も考えられたりします。でも大切かと。

三つ目は、添加物にまみれた食生活そのものを改善。
私自身実践できてないので偉そうな事は言えませんが、コンビニ弁当を止めてちょっと時間がかかっても自分で作るようにする。一食だけでも改善できれば効果は大きいと思います。
カップラーメンとか清涼飲料水を減らすだけでもかなり添加物は減りそうです。だからって健康になるとは保証できませんが・・・



消費者が直接口にする食品だけに、添加物への関心は非常に高くなっています。
しかし、薬はまた毒となり、添加物も然り、という事を常に頭に入れておくべきでしょう。
”DHMO”じゃないですけど、小難しい横文字に扇動されないように気をつけてほしいものです。