「手打蕎麦 泰庵」 / 鴨南そば他2007年01月17日 14時34分27秒

作草部の名店「 泰庵」さんで昼食。
ここの蕎麦は千葉県でもトップクラスで、久々に食べるので期待大です。

この日は雨が降っていて気温も低かったので、温かいお蕎麦を頂く事にしました。
メニューを眺め、「鴨南そば」に決定。
注文する時、カウンター側の「だし巻き玉子焼き」が目に入ったので、脊髄反射で追加。

最初に玉子焼きが来ました。



別の小皿に取り、醤油をかけてお食べくださいとのこと。
まず何もつけずに一口。
おお、表面のざらつき感と、中のふわふわ感のコントラストが実に見事。食べている、という感覚をリアルに感じます。
味わいは玉子の味を消さない程度に甘口。
今度は醤油をつけます、と、適度なしょっぱさが一層玉子の味を際立たせます。
実に美味い。蓬庵に次ぐ美味さです。流石としか言いようが無い。

玉子焼きを一切れ二切れ食べたところで鴨南そばがきました。



一見普通の鴨南蛮ですが、鴨肉に少し仕事がしてあります。
鉄網の上で炙ってから出してきていますが、半面に黒胡椒が振ってあります。
半面に黒胡椒、もう半面は網焼きの模様。片面だけ炙ってきたのかな?
鴨南蛮にしては珍しいです。
そのおかげで胡椒の香りが立ち、鴨南蛮らしからぬ香りです。

ともあれ、まずは頂きます。
つゆは醤油、ダシ共に絶妙で、濃すぎず薄すぎず、ぎりぎりのライン。とても上品です。
蕎麦はやや黒がかった星の見える蕎麦で、温かいが故にコシは弱めですが、ありがちな腰砕けではありません。弱いながらもしっかりしたコシがあります。
つゆ、蕎麦ともに上品で、ともすれば存在感が弱くなりがちですが、胡椒の香りによって引き締まり、実に強い風味になります。
こう書くと胡椒臭いと思われるかもしれませんが、胡椒自体は最初こそ鼻につきますが、強すぎるわけではありません。
つゆ自体の香りを十分感じさせ、引き立たせる。しかし自身の主張も忘れない胡椒。
そのバランスは素晴らしいです。まさか胡椒の風味がこんなにも溶け込むとは思いませんでした。
その胡椒を振った鴨肉ですが、炙ってあるので表面は焼いた肉の食感ですが、中から非常に濃厚な肉汁がぬぎゅーっと出てきます。
純然たる肉の旨味。堪らんです。
濃厚な味と香りでぼんやりしたところを、水菜とねぎが覚醒させます。ねぎは小ぶりながらも甘くて美味しい。
最初から最後まで死角無し。素晴らしいです。
あまりに美味かったので汁も飲み干してしまいました。
器を下げてもらう時にも「きれいに召し上がってくださいましたね」と言われました。褒められたー。

食後にはお抹茶を出していただきました。泰庵さんの恒例です。
お茶の泡を全部飲めると願い事が叶うという事で、しっかり飲んで しっかりお祈り 天誅 しておきました。

普通のせいろも温かい蕎麦も死角無し。
少々値が張るのだけが気になりますが、本気で美味い蕎麦を食べるんだったら外せないお店です。

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