「そば工房 篠」 / そばくらべ2007年12月20日 23時15分09秒

芝山町の「篠」さんに行ってきました。
場所はR296大里交差点を県道106号に入って進んだところにあります。木の多い地域にふと現れるお店です。車じゃないと無理ですね。バス停では田辺野入口の近くです。

お店の外観は、普通のお蕎麦屋さんですね。





看板に「みなもと」の文字があります。酒々井の さんに近しい関係という事でしょうかね。
店内は明るい木目調。席はこあがりと奥になんかありました。全体的な雰囲気は、確かに源さんに似ています。

席に着くと、蕎麦の実あられを出していただきました。



これまた源さんと同じ。味もやはり美味しいです。下手すると一人で全部食べてしまいそうです。

メニューを見ると、蕎麦は十割と二八。二八は粗挽きと丸抜きの2種類。他には”倍”があります。
まさにみなもと流。

今回は初めてだし色々試したいので、ちょうどいい一品が。「そばくらべ」です。
十割と二八の合盛りですね。二八は粗挽き(玄そば)にしました。



これまたみなもと流の盛り付け。

つゆはやや辛口ですが、口に含んですぐには主張せず、喉の奥に入り込むタイプです。ダシも強く、全体的な風味が一気に攻め込んできます。喉の奥で感じるタイプのつゆですね。
蕎麦は右が十割、左が二八の粗挽き。味も香りも素晴らしいです。また星が見えることもあってか、蕎麦殻の風味が強くします。特に二八の方は喉にツンツンするぐらいです。表面のざらつきはほどほどですが、結構コシが強く、よく冷やされています。背筋が伸びるような蕎麦です。
つゆの入った器も冷やしてありますので、並々ならぬ拘りを感じます。
極めてハイレベルな、攻撃的な蕎麦と言えます。こちらの目を覚まさせるような、素晴らしい蕎麦でした。

蕎麦を食べ終わった後には、蕎麦湯、それにすり鉢に入った蕎麦粉。これもみなもと流。
蕎麦湯の器は口が広く、竹のかき混ぜ棒が添えられています。蕎麦猪口に注ぐ前に、マドラーでかき混ぜる事が出来ます。この気配りは素晴らしい。蕎麦粉も香り高く、最後の最後まで蕎麦を堪能できます。

蕎麦湯を飲み終わったころに、甘味を出していただきました。こちらはサービスのようです。
くずもちですね。



もちろん蕎麦で作ったくずもちです。蕎麦の実が入っていたりして、油断なりません。
ざっくりとして無骨とも言える食感ですが、それが素朴さを際立たせます。栗蜜ときな粉も、甘さ控え目で実にいい。
最後の最後まで楽しませていただきました。感無量。

蕎麦の方向性は、酒々井の源さんに似ています。しかし同じではない、独自の色があるのもまた事実。
両方食べ比べて楽しむのもまた一興です。どっちも美味しいからまた困るのですが。蕎麦屋のはしごは慣れてますけど・・・

成田空港とか航空博物館のついでじゃなくても、抑えておきたいお蕎麦屋さんです。
ちなみに土曜日は定休日。また夜は予約制ですのでご注意を。

「おゆみ庵」 / 鴨南そば2007年12月22日 19時12分32秒

おゆみ庵」さんへ。
めっきり寒くなりましたので、今日は温かい「鴨南そば」です。



王道。
つゆは穏やかな味わいですが、きっちりダシは効かせてあります。たぶん「美味しい鴨南蛮のつゆ」と想像すれば、多くの人がこの味を思い浮かべるでしょう。
蕎麦は温かい割にはコシがあります。その辺がちゃんと計算されているのはありがたいです。もうちょっと細いと好みでしたが、伸びるのが早くなるので思案のしどころです。
鴨肉は柔らかく、味わいは濃くはありませんが十分です。ネギは基本どおりに焼いた長ねぎ。焼き加減が絶妙で、シャキシャキ感と甘さが両立しておりますね。このネギは本当に美味しい。
香り付けには柚子皮。あと三つ葉が一本だけ入ってます。こだわりなのかかどうか分かりませんが、もうちょっとあっても良かったかなぁ。
ともあれ実に基本に忠実、それでいて高次元、誰もが美味いと思える鴨南蛮でしょう。。

こちらは鴨鍋もあったような気がしますので、そちらもいずれ頂きたいところです。

「宇左エ門」 / 鴨せいろ+葛きり2007年12月26日 11時17分10秒

うぐいすライン沿いの宇左エ門さん再訪。
今回は私の中ですっかり市民権を得た鴨せいろです。



蕎麦はさすがの一言。味も香りも素晴らしく、コシもしっかりしています。ざらつきもあり、実にこだわった蕎麦ですね。
またしっかりと冷やされているので、熱い鴨汁につけても負けません。
鴨汁は意外に穏やかな味わい、しかし醤油の風味は効いてます。滅法鴨の脂が強く、こってりした印象もありますね。熱々の汁なので冷たい蕎麦とのコントラストを存分に楽しめます。
具は鴨肉とネギ。肉は質感があり、かといって固すぎない。味もしっかりしています。汁の脂加減とは裏腹に、そこまでキツくありません。
とても美味いです。
小皿の鴨肉もまた実に肉汁たっぷりで素晴らしく美味い。鴨せいろに鴨肉の炙りがつくのはいい感じです。
今回特に感動したのがつけあわせのネギです。鴨の肉汁と脂を吸い、中までしっかりと火が通って甘さが活性化しています。このネギだけでもご飯食べられます。素晴らしい。シャキシャキしたネギも良いですが、このようにしっかり味がしみたネギもまた堪えられない美味しさです。

せっかくなので甘味も食べました。葛きりです。混雑時は対応できないという事なので、混み具合を見て注文してください。



和テイスト全開。
葛は滑らかでちゅるんと入っていきます。心太ではこの食感はなかなかでないですね。葛でなければ。
甘さは結構強いですね。私は甘党って訳ではないのでそう感じますが、甘党の人には十分ご満足いただけるのでは。でも無節操な甘さって訳じゃないので、美味しく頂けます。
甘味にも隙が無いですね。

最後にコーヒーを出していただきました。これはサービスの様子。空いていたからでしょうか。
コーヒーと言われましたが中身はエスプレッソのような気がします。かなり濃いです。でも甘いものの後なので、ちょうど良かったですね。
最後の最後まで手を抜かないその仕事は、感動に値します。



おまけ。長柄ダムです。



アウトレットコンサート長柄が出来たおかげで、若干人が増えましたかね。それ以前は、失礼ながらホントに何もなかったので・・・

「梵」 / もりそばとミニ鴨丼2007年12月27日 19時37分13秒





」さんの平日限定ランチ「もりそばとミニ鴨丼」です。蕎麦の冷温、丼の種類は選べる模様。
蕎麦は変わらず美味しいです。荒々しくも繊細な蕎麦に合わせるは、強くダシの効いた深いつゆ。喉越しが堪りません。
鴨丼はご飯の上に海苔、さらに肉とネギ。肉は薄切りなので肉々しくはありませんが、バランスが取れています。
汁物に香の物もあるので、お昼にはちょうどいいです。平日限定なのが残念なぐらいです。

「手打蕎麦 ゆい」 / 地元野菜の天せいろ2007年12月30日 08時53分00秒

千葉県の観光名所の筆頭にして我が鍛錬の場でもある養老渓谷にお蕎麦屋さんが出来ていたようです。
今回はそんなところにある「 ゆいにゃんさんでお昼です。
場所はお店HPに譲りますが、まさに養老渓谷のメインストリート沿いです、ただし旧道の方ですが。

非常に勾配の大きい曲がり道を抜けると、一段高いところに看板が見えます。



お店は道路から少し高いところにあります。古民家アレンジなのですが、まだ新しいしモダンな雰囲気があります。



店内はこれまた古く落ち着きがありながらも新しさを忘れない、保守且つ革新。
席はテーブル席がいくつか。周りにはこだわりの品々が飾られております。

今回は基本の天せいろですが、丹精込めて作られた地元のお野菜を堪能すべく、「地元野菜の天せいろ」です。



きれいにまとめられています。
まずはお蕎麦を頂きます。



つゆは醤油が前面に出た辛口で、ダシがとても強く効いています。しかし酸味はあまり感じないので、実に丁寧なダシの取り方をしていらっしゃるようです。私は酸味があるのも好きなのですが、風味が強くなりすぎてしまう欠点もあるので一長一短です。
また口に含むと、とてもねっとりと舌に絡みつくような、独特なつゆです。粘度が高いですね。
蕎麦は味も香りも上々です。良く冷やされているので、コシもかなり強く感じます。
表面はつるつるしているので、どんどん呑み込めます。
ややつゆが勝っているような気もしますが、好バランスですね。これはまた個性的なお蕎麦です。

お次は野菜の天ぷら。



まいたけ、かぼちゃ、さつまいも、葉物、掻き揚げに・・・謎のオレンジ色の丸い物体。
なんだろうかと思ったときに目に入ったのは、ご近所の方が作られた梅干しの販売。
しかし食べてみると、あんずでした。ほのかに甘いのでデザート感覚?
どうせなら梅干しの天ぷらも添えて二択にして相手のガードミスを誘うってのも面白いかもしれませんね。
地元野菜と銘打っているだけあって、素材は実に味がいいです。揚げ方はちょっと油を強く感じてしまい重たいので、ここが改善されればもっと良くなるでしょう。
ともあれ、非常にこだわり抜いた一品でした。

帰りがけ、奥の部屋に焼き物の展示があるのを見かけました。
なんでも養老渓谷に窯を構えるイギリス人陶芸家の クリス・クラークさんの作品だそうです。塩釉という技法だそうです。初耳。
その奥の座敷には、どうやら地元の工芸品などの売り場のようです。
そこに、店名の由来がありました。この地域では茅葺屋根を葺くときに寄り合って共同作業するそうですが、それを「結い」と言うそうな。
アットホームな雰囲気を損なわないこのお店の雰囲気も、そんなところから来ているのですね。
千葉の奥座敷とも言えるこの地にわざわざ居を構えていらっしゃるだけの味だと思います。
養老渓谷に行ったときでも通ったときでも、このお店は一度は訪れてみたいところですね。