「蕎処 理彦」 / せいろ2007年10月01日 00時00分01秒

9月号のぐるっと蕎麦千葉は、「ちば蕎麦百軒伝」と称してお蕎麦屋さん紹介の特集を組んでいます。
千葉県の蕎麦好きならばたぶん買っていると思います。
今回はそこで紹介された中の一軒、流山は江戸川台の「 理彦」さんに行きました。

場所などの説明はHPに譲りますが、東武野田線江戸川台駅から歩いても行けます。
住宅街の中にあり、お店自体も古い住宅を改装したとのことです。



店内も住居そのもので、やや狭い廊下が時代を感じさせます。
厨房と客室が廊下を挟んだ向かいにあり、席は座敷が4×2。手狭な感じですが、ご主人が一人で切り盛りされているという事なので、これがベストサイズなのでしょう。



テーブルにぐるっと千葉が置いてありました。
部屋からは庭が見えるのですが、蕎麦が植わっていました。まだ花は無かったです。

この理彦さん、品数はさほど多くなく、せいろの生粉打ち、鴨汁、そばがき、だし巻き玉子に酒。シンプル。
これから徐々に増やすという事ですが、これはこれで必要最低限そろっていると思います。

今回はせいろをお願いしました。



つゆはなかなかに辛く、しかし甘みも深く底知れぬ味わいがあります。
最も前面に感じるのはダシの味であり、強烈な風味があります。酸味も感じますね。かなり強いつゆです。
蕎麦は味、香り共に素晴らしく、さすがは庭に蕎麦があるだけの事はあります。といいつつ使っているのは常陸夏そばなのですが。
コシはやや弱いように感じますが、腰砕けではありません。表面のざらつきはなかなかに感じるので、喉越しを味わうタイプといえそうです。
蕎麦とつゆのマッチングに関しても、最初はつゆが強いかと思いましたが、不思議と相性はバランスしています。
ご主人の蕎麦にかける愛情がそのまま表れたような蕎麦です。
素晴らしい蕎麦、素晴らしい想いを頂きました。

食後に、ご主人自ら蕎麦についてのお話をしていただきました。食べる専門で蕎麦についての知識はあんまりない私には、とても貴重なお話でした。
知識の深さももちろんですが、蕎麦にかける愛情、情熱、そして真摯なる想いを、ひしひしと感じます。
これほどまでに蕎麦を愛し蕎麦に取り付かれた人も珍しい。
非常に温和な方ですが、彼もまた「鬼」と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。

蕎麦というものにみんなどうしてここまで入れ込むのか。言葉では表せませんが、その答えの一つがこの理彦さんに行けば見つかるんじゃないかと思います。
友人の言葉を借りれば、「蕎麦の一つの完成形」です。

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