トヨタ・追われる立場に2007年05月10日 09時04分43秒

トヨタ、日本企業初の営業利益2兆円台
(by 読売新聞さま)

トヨタ自動車が9日発表した2007年3月期連結決算(米国会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前期より19・2%増えて2兆2386億円と6年連続で過去最高を更新し、日本企業として初の2兆円の大台を突破した。
(略)
 07年(1~12月)の世界での販売計画は934万台と、米ゼネラル・モーターズ(GM)の06年の実績(918万台)を上回る。すでに今年1~3月の世界累計販売台数(速報)ではGMを超えており、年間でトップに立つのはほぼ確実となった。
強調は筆者

名実共に世界一に。
トヨタは大衆車ブランドだったものが、今や世界を席巻する巨大メーカーになりましたね。
車種などを見てみると、まさに大衆の大部分に受ける事を狙った車造りと言え、カローラ開発のときの80点主義を地で行っているのかな、と思います。
大衆の大部分みんなが受け入れられる車、という事は逆に言えば、わざと専門性は低くしているのかと。
(レクサスが不振なのもそのせい?)
MT車がことごとく無くなっていっているのも、そういう考え方から導き出され、製造ラインを抱える必要もない、と。
合理的ではありますが寂しい限りです。
世界一になった今、OTC的な車造りではなく、テーラーメイドな方針に変わってくれることを望みます。

トヨタはもちろん自動車メーカーは世界中に車を売っているのですが、もちろんその国の事情に合わせた車になります。
日本では右ハンドルだけどアメリカでは左、など。
道路事情だけならその程度ですが、グレードまで大幅に変わっていることもありますね。
例えばトヨタ・カローラランクス(現在カタ落ち)。日本では1.5L、1.8LのAT。1.8Lのエアロツアラーでは6MT、しかもセリカと同じ2ZZエンジンという奢りっぷり。
欧州ではスーパーチャージャーの設定があったとか無かったとか。それでMTだったら滅茶苦茶欲しいです。
あとVitz(欧州ではYaris)にはカローラフィールダーと同じ1.8L(2ZR-FE)の設定もあるそうで、日本のグレードとは全然違いますね。
そのお国柄に合わせた結果ですが(欧州ではMT需要も大きいらしく、ちゃんと設定があるそうな)、どうせだったら色んなお国の仕様を簡単に変えるようになれば、選択肢が広がってよいと思いますよ。
バイクでは逆車って、選択肢の中に当然入ってくるのですが、4輪はあんまり聞かないですね。パワーだけだったら簡単に上げられるから必要ないのかな。

そうそう、トヨタが世界一になった要因の一つが環境性能、プリウスなんかのヒットだそうです。
これからはますます環境対応が迫られて、開発の大きな課題です。
アプローチは色々あると思いますが、やはり最近の車で一番興味深いのは、フォルクスワーゲンのGolf TSIですねー。

排気量を上げれば1回の爆発に使う燃料が増える。なら排気量を少なくすれば燃費は良い。
それだとパワーが足りないから、過給器で稼げばよい。しかし、
ターボチャージャーは上は回るけど下は回らない。
スーパーチャージャーは下は回るけど上は回らない。
両方付ければいいじゃん。

というコロンブスの卵で世界的にも話題になりました。最初って訳じゃなくて、NISSAN・マーチでも過去にやってはいましたが。
日本みたいに渋滞の多い国では、アイドリング時の燃費を改善できるこの発想はフィットすると思います。
これだと簡単に回転が上がりそうで、そのためにシフトチェンジスピードが早いと言うDSGシステムを併用しているところにもこだわりを感じますが、個人的にはこの車でMTがあったら大ヒットだと思います。
小さいエンジンをめいっぱいまで使い切る、って発想は好きです。騒音との兼ね合いがありますけど。
環境対応だからって車としての魅力を損なわずに、むしろ攻め手に転じた、ってところは高評価です。
あと300kgぐらい軽ければ(無茶言うなw)

スーパーチャージャー、日本ではほとんど見ないのですが、自分がとても欲しい特性です。
ターボは高回転パワーですが、その恩恵を感じるのは高速道路ぐらいでしょう。
スーパーチャージャーは下からのパワーを搾り出せるので、日常の使い勝手に貢献できるかな。
排気量を小さく、圧縮比は通常並に高く、そして低過給圧で薄くパワーを補う考え方だったら、燃費もそこまで悪くなく、十分なパワーを引き出せると思うのです。高回転では電磁クラッチで切り離して、NAエンジンとして通常圧縮比で十分に回る。
つまりは、ボルトオンスーパーチャージャーっていいよね?と言うことですw
実際には騒音とか重量増とかがあるのですが、パワーではなく環境面から選択するのもアリじゃないかと。

この先、車への要求性能は多岐にわたると思いますが、是非とも「楽しさ」という基本的なファクターは忘れないようにしていただきたいです。それが車開発のドライビングフォースにもなるわけですから。

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