青い光2006年04月26日 23時31分44秒

4/26。
チェルノブイリ原発事故から20年。
20年前にはまだ幼かったので、これほど恐ろしい事故であったとは、思いもよりませんでした。



夜のニュース番組では、やはり事故からちょうど20年と言うことで特集が組まれていました。
その中で、原発近くの草むらを線量計で調べる、草むらの放射能を調べていました。
番組スタッフが無作為に線量計を当ててみたところ、示した数値は約100μSv/h
あわてて非難するスタッフ。
X線関連の免許を持っている人なら分かると思いますが、普通の土壌ならば0.1μSv/h程度。ブラジルの高放射線地域でも15μsV/h。
つまり、通常の1000倍の放射能を持っているということです。
人間の放射線の100%致死量は約6Sv。
例えると、原発近くの草むらに3日間ずっと寝転がっていると、放射線が原因で死亡するかもしれない、というぐらいの放射線です。
実際にそんな事は無いのですが、草むらの土ぼこりを吸い込むと内部被爆で相当なダメージがあることが予想されます。

まさに死の大地。

炉心の爆発によって撒き散らされた放射性物質は、ヨウ素131、ルテニウム103、セシウム137などであり、半減期が一番長いのはセシウム137の約30年。
つまり、この先数十年は確実にチェルノブイリは死の街であらざるを得ない、と言う事になります。



日本にも原発はあります。
日本各地に原発は点在するし、茨城県の東海村に原研があります。
そして。
記憶に新しい事故でも2つ。
一つは高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ。とある関係者の話では、現場の判断があと1秒遅れていたら
日本はチェルノブイリになっていた、という事です。
もう一つは東海村JCO臨界事故。
JCOの作業員がウランの再転換工程を行っている際、SOPの逸脱行為を常習的に繰り返していた事などがたたり、反応釜で臨界、暴走。
”バケツでウラン”など批判が集まりました。
臨界時に作業していた2名が死亡。そのうち一人は公表値では17Svを被爆したと言います。
人間のLD100は6Svだから、現代医学では手が出せないレベルの被爆量。しかも中性子線被爆であったので、実際の被爆量は100Svを超えていると言う説もあります。

この2つの事故。それも、一歩間違えたら日本が死の国になっていたかもしれない大事故。
核の恐ろしさを世界一分かっているはずの日本が核の恐ろしさを分かってない。 その事が一番恐ろしい。



私は原子力発電は反対です。
原子力はまだ人類が手にするのは早いと思うからです。
今の世界中の原子力発電と言うのは、例えればワクチンの無い病原菌を使った生物兵器で戦争するようなものです。
目的は達成できるかもしれませんが、自分の首まで絞めることになっています。
そんなのは愚か者のすることです。
核燃料の処置、廃棄、事故発生時の対処など、確立していないうちから原発を作るなどというのはそういうことなんです。
安全なら原子力に反対はしません。
危険極まりないから反対なんです

では、どうしたら原子力に反対できるか。
原発反対デモに参加するのもいいでしょうが、もっと手軽で確実な方法があります。
そう。節電です。
考え方は単純で、原子力が必要ないぐらいに電気の消費量を減らせばよい。
企業や工場などでは省エネが当たり前で、もうだいぶ節約できているのが現状です。
むしろ問題なのは一般家庭。
無駄な待機電力や無駄な電灯のつけっぱなしなど、まだまだ削れます。
懐にも地球にも優しい省エネ。少しでも有効だと思って是非考えてください。



放射性物質の半減期はとても長い。
下手をすれば数先年、数万年、そういうオーダーです。
今起こしてしまった過ちが、数万年先の人類に影響するのです。
止めよう、そう思ったときが止める時です。

原発はエネルギー問題だけではなくフランス国交や核の平和利用など色々な側面を持ちますが、人類の安全を第一に考えて欲しい。
何かあってからじゃ、もう遅いんです。