「安房叶庵」 / 板そば2010年03月03日 23時50分04秒

時々「そうだ、○○行こう」とどこぞのCMみたいな事を思いついてはカタパルトで加速されたかのように飛び立つ事があります。
今日もまた「そうだ館山行こう」と何故か思いついたので、思い立ったが吉日直行。
お昼ご飯は予てより気になっていた「 安房叶庵 」さんにしました。
場所はR127バイパス沿いなのですぐに見つかります。

バイパスからはでっかい看板があるので、目立ちます。



お店の佇まいは新しくてモダンです。



店内も新しく、完璧に作りこまれています。



席はカウンター、こあがり、テーブルとたくさんです。駐車場も十分な台数停められます。
アットホームな雰囲気ではありませんが、洗練された料亭の雰囲気を感じます。

今回こちらのお店に訪れたのは、板そばが気になっていたからでした。
なので蕎麦はもう決まり。でもそれだけだともったいないので、先付けで一品。



鴨つくね焼きです。
蕎麦もいいけど、サイドメニューもやっぱり気になるのです。

軽く食べて胃腸の様子を伺ったら、本題の板そばです。
メニューを見ると、2.5人前とあります。食べられるかな・・・と思っていると、お店の人が「一人で召し上がる方も多いですよ」と。
まあそれなら何とかなるでしょうと、板そばをお願いしました。



うん、見紛う事なき2.5人前だ。
一抹の不安が脳裏をよぎるものの、蕎麦食いの意地にかけて残す事は許されません。
勝負や。

蕎麦は味も香りもほどほどにあり、コシも程よい。個性的とは言いがたいのですが、その分万人に受け入れられるでしょう。
つゆはやや甘口ですが、これまたオールラウンドなものです。ダシもほど良い。良くも悪くも、万人受けするように洗練されたものと言えるでしょう。
やや主張が少ないので、蕎麦食いを満足させるかどうかは何ともいえません。美味しいのですけど、蕎麦の向こうに職人の顔が見えてこない気もします。
それが悪い事とは言いませんけどね。だからこそ「洗練」です。

なんだかネガティブな書き方になってしまいましたが、美味しいことには変わりありません。
夜も割りと遅くまでやっているので、酒を呑む人にはいいかもしれません。
他にもご飯ものや変り種も多いので、いろいろな楽しみ方がありそうです。
場所が場所だけに、夜ふらっと立ち寄るとかは出来ませんが、泊まり前提ならばアリでしょう。
ちなみにコストパフォーマンスはすこぶる高いです。つゆは別ですが、板そばは880円。むっちゃ安いです。お腹一杯食べたいならば一択なお店ですよ。



折角館山まで来たので、そのまま海沿いへ。
北条海岸沿いをひた走ると、海自の館山航空基地にぶつかります。そのまま自衛隊沿いに進むと、沖ノ島にたどり着きます。



夏場は海水浴の客でごった返すとのことで、シュノーケリングのメッカでもあるそうです。
冬場は閑散としております。
ちなみに車で進めるのはここまでで、すでに砂利道です。

車を降りて島まで歩きます。昔は本当に島だったけど関東大震災の時に地形が変わって地続きになったそうな。
砂浜を少し歩くと島にたどり着きます。
自然豊かというよりは鬱蒼とした無人島で、霊感の無いワタシでもなんだか陰の気を感じます。
重苦しい空気を感じながらも進むと、壕にたどり着きました。



ここから迫りくる米兵を狙撃と言わんばかりの造りですね。
以前は海軍航空隊の前線基地だったそうで、その名残でしょう。さっきから感じていた嫌な気はこれか。
まあそれを除けば面白いところです。磯遊びも出来ますし、神社から壕に向かう道では、ちょっとしたアスレチック体験もあります。
脚に不安のある私だとしんどいのですが、夏場で濡れてもいいなら格好の遊び場です。
夏場は混んでいるみたいなので、多分来ませんが・・・

ここで汗をかいたら、バイパス沿いの 里見の湯 で温泉につかれます。
お値段は観光地価格で\1580と高いのですが、館内着とタオル2本が付いてくるので、実はリーズナブルかも。
温泉の規模は大きくはありませんが、気軽に入れるので便利です。

「そば酒花咲庵 又十」 / 天三色そば2010年02月08日 19時06分20秒

市原の「又十」さんに行ってきました。
場所はR16を市原方面に行き、稲荷台通りで左折してすぐです。
アパートの1階部分にお店があります。



駐車場はお店の前と、道路を挟んだ住宅街の中にあります。さほど台数があるわけでも無いので、やや難儀する可能性もあります。
店内は今風の洒落たつくりです。全テーブル席で、20ぐらいあります。
決して広くはありませんが、その分隅々まで気を配ってくれます。

今回は新店セオリーの天せいろ。しかし折角なので蕎麦も豪勢に。
天三色そばです。しかも大盛り。



豪華ですねー。
まずは蕎麦から攻めていきます。



三色はせいろ、田舎、変わりの三つ巴が基本セットです。今日の変わりはなんと唐辛子。3倍辛そうだ。
お店の人に「変わりは塩でお召し上がりください」と言われたので、まずは塩でいきましょう。
とはいえ、まずは基本形のせいろから。
蕎麦は適度な形状の蕎麦に、適度なコシ。味や香りは文句ありません。王道の蕎麦です。
つゆはやや辛口ながらダシのボディもしっかりしています。濃さも丁度いい。蕎麦との相性もいいですね。
田舎は太い分のコシの強さと喉越しが楽しめます。田舎だとつゆが若干負けてしまうのですが、つゆを分けるのもなんだし・・・悩みどころですね。
変わりの唐辛子蕎麦。色は真っ赤ですが、味や香りはすぐにはきません。
更科の繊細は味は、塩で食べた方が堪能できますね。これは勉強になります。
しかし油断していると、だんだん喉の奥に辛味を感じてきます。激辛というわけじゃありませんが、辛さを楽しむほどにはあります。
これはそばつゆよりも塩に軍配が上がりますね。
こういう食わせ方ってのも面白い。

お次は天ぷら。



えび、なす、まいたけ、ふきのとう、エリンギです。
油臭さは微塵も無く、かといって衣は美しい黄金色です。具材もジューシーになっています。この天ぷらは素晴らしい。
蕎麦に気をとられて若干冷めてから食べる事になってしまったのは、私の不徳と致す所です。無念。
蕎麦も天ぷらも素晴らしく美味しかったです。

お店の造りからして夜もなかなか楽しめそうです。また甘味もあるので、もうちょっと楽しみたいお店ですね。
やや場所が遠いのですけど、足を伸ばす価値はありますよ。

「吟そば凛」 / たまにはマダムコース2009年12月24日 19時54分57秒

クリスマスは中止になっているところが多そうなので、都会の喧騒を離れてのんびりと蕎麦屋でクリスマス。それが私のドクトリン。
というわけで、「 吟そば凛」に再訪です。

今回も例によって電話予約。3500円の「たまにはマダムコース」にしましたのよ、おほほほほ。
クリスマスだからちょっと奮発。
写真の画像もいつもより大きめでお送りいたします。

最初にワンドリンク。



ブルーベリージュースです。グラスに全部空けてから頂くそうです。
市販のものとは比較しちゃいけないですね。フレッシュ極まりない。
果実をそのままつぶしただけに近いジュース、これが基本にして頂点。

前菜盛り。豆腐のトマト和え、湯葉、ゴマ豆腐です。



豆腐に細かく刻んだトマト、それにゴマ風味のドレッシングを合わせてきています。手が込んでますねー。
トマトの酸味が食欲を掻き立てます。

次はいきなりの肉。ラム肉のソテーです。



やや甘めの味付け。この辺は欧風なんですね。
添えられたしいたけも美味しいです。また胡椒が結構効いているので、甘い中にもワイルドな風味が自己主張します。
ただワタクシは日本人ゆえ、醤油味が欲しかったかも。

前菜の続き?アスパラガスの生ハム巻きキャビアソースです。



蓮華に乗っかってるのは岩塩で、これで味付けするようです。あとポ○キーみたいなのは米粉で作ったスティックです。
アスパラガスと生ハム。美味しくないわけ無いわな!
キャビアってのもめったに口にしませんが、面白い風味ですね。結構塩気が強い。

次いでもう一皿。ホタテのバターソテーです。



王道です。美味しいに決まってます。
お皿の横にあるのは赤ワインのソース。甘め。これと絡めるとまた違った一面が見えてきます。
こちらのお店は、結構甘いのとしょっぱいのを併せて来ますね。
これ多分、生ハムメロン否定派には受け入れられないんだろうなと思っていたら、



ホントに来たw
私は生ハムメロン好きなので、美味しく頂きました。

ここまで来てようやくサラダが出てきました。しかしサラダというよりはメインに近い一品。



トロサーモンがこっそり主張しています。実はこってり系の一皿。
これまたこっそりクルミがいて野の風味をプラスしてます。
また白いのは大根ですが、シャキシャキ感が失われない程度に漬物になってます。若干甘め。
なんとも不思議なサラダです。

次の一皿。まだ来るか!w



カブのムースです。
ムースにすると歯ざわりが全然違うので、新鮮な食感です。
お皿の脇にはスパイス。カブの甘さを引き締めます。
こうなると塩気も少し欲しいので、どうせならスパイスと岩塩を混ぜ込んでみるとかすると面白いかもしれません。

ようやく蕎麦、と思ったらそばがきでした。



ダシを張って、その中にそばがきを沈めてあります。
そういえば蕎麦屋だったなぁw
鄙びた風味がダシに良く合います。醤油っ気のない食べ方もいいですね。


メインの蕎麦が来ました。たどり着いた!



今回はそばつゆを温かいものにしてみました。
温かいものは醤油というよりはダシ汁。明石焼きみたいな食べ方になりますね。
こちらのお蕎麦はあんまり主張が激しくない方なので、つゆも優しい方が相性がいいですね。

最後にデザート。感無量です。



洋ナシ、金柑の甘露煮、プリンです。
プリンはありえないほどに口当たりが優しいです。金柑の甘露煮は甘さが結構主張しますね。初めて食べました。
最後の最後まで手抜きはありませんでした。素晴らしい。

2回目ですが、またもやしっかりもてなされましたよw
お店の雰囲気も暖かく、また来ようと思わせるお店です。
テラスでのお食事も気になりますね。今の季節は寒くてしんどいですが・・・

「手打蕎麦なめき」2009年11月29日 19時19分32秒

成田の住宅街の中にある「なめき」さんに行ってきました。
場所は美郷台って住宅街の中、美郷台小学校のすぐ近くです。検索すればすぐに出てくるでしょう。

今回写真はありませんが、お店はマンションの1階部分です。
店内は開けた感じがあり、カウンターにテーブル、奥にも席がありそうです。

今回は初めてで且つお腹が空いていたので、がっつり。
まずは定番の出し巻き玉子!



結構ボリュームありますねー。
ちなみに味付けはこちらで。



1本置かれました。これを使えと。結構豪快w
写真見せた友人に酒か?と言われたのは秘密

とてもふんわりと仕上がっていて、美味しいです。出し巻きの美味しい店に外れなし。

肝心の蕎麦ですが、平日ランチがあったのでそちらに。
天そば膳です。







つゆはダシを前面に感じるタイプで、なかなかに好きなものです。
蕎麦は味、香りともに良く、コシもあります。表面はつるんとしているので、呑むよりは噛む方かな?マッチングもいいです。
天ぷらは軽く挙がっていますので、あんまり胃にこないと思います。レンコンは特に素晴らしく美味しいです。
一品一品がとても繊細に作りこまれているので、食べていて気分がいいですね。
お店の方の雰囲気も柔らかいので、アットホームなお店だと思いました。

前衛的な料理もあるみたいですので、そちらもチャレンジしたいです。



2009/12/16 追記

再訪。今度は鴨せいろです。



鴨汁はダシと鴨の旨味がたっぷりと注ぎ込まれた、かなり美味しい一品です。
もちろん蕎麦との相性も文句なしです。
鴨肉もかみ締めるほどに肉の味が染み出してきて、肉を食べている感じがしっかりします。
特筆すべきはつみれ。これはもう食べてください。
”炸裂”しますよw

「そば酒房 ひぐらし」2009年11月15日 19時53分07秒

麺棒ブチ込まれてえかああああああっ!!!(グギャ


というわけで、JR成田駅の本当に目の前にあるお店「ひぐらし」さんです。
徒歩0分。成田山表参道の入口にある渋すぎるタバコ屋さん、その2階にあります。
駅前には時間貸しの駐車場があります。でも電車の方がいいですね、きっと。
こちらのお店は”酒房”というだけあり、蕎麦屋というよりは和風のバーです。営業時間も夜のみ。なかなかに大変な場所です。地元の人がうらやましいw

入口は蕎麦屋のようなバーのような料亭のような。
夜の雰囲気がいいですね。



ここから階段で2階へ上がります。
店内は横に長い感じですね。狭くは無いものの隠れ家的な雰囲気があります。
4人がけのテーブル×1、木製の大きなテーブルに12人ぐらい、後はカウンターです。
和のテイストを纏いながらも源流はやはりバーでしょうか。喫煙可なのはお店の性質上しょうがないけど勘弁して欲しいところです。
窓からは成田駅のロータリーを見下ろすカタチになります。実に雰囲気はいい。

さてこの日はお腹も結構空いていたので、しっかり料理を頂こうと決めました。拉致ってきた友人は既に酒のお品書きを見ています。

最初はやはり外せないでしょう、出し巻き玉子です。



しかしただの出し巻きではない。トマトをちりばめてあります。
合うんかいなと思いきや、これが実に美味い。トマトの酸味を玉子の甘さが優しく包み込んで渾然一体となります。バジルの葉がそこに刺激を加え、隙の無い仕上がりになっております。

お次はサラダ。小海老とトマト、アボカドのサラダです。



これがまた、ゴマ風味のドレッシングなんですが、これが実に合う。
ミスマッチかと思わせておいて実は相性ばっちりというコンボにやられまくりです。

今日のメニューで気になったのがカキフライ、広島産。
お店のねーちゃんが「むっちゃうまいっすよ♪」と太鼓判を押してくれましたよ。
どれどれ・・・




Exactly.(その通りでございます)

いやもうこれむっちゃうまいっすよ!
揚げ方も申し分ないのですが、カキの味も最高です。最高です。美味いから2回言いました。
臭みなんて一切ありません。純然たるカキの旨味のみ。それしか感じません。
これでもカキが食えないとか言う奴表出ろ。
これはもう必須の一品です。

その他に鴨のソテーやらを食べました。そっちも美味いです。
最後の締めはやはりせいろで。



つゆは江戸流儀の辛口で、全ての要素に容赦なし。濃いのもそうですが、ダシも強烈に効いてます。
蕎麦も負けじと非常に強い。味も香りも鮮烈。適度な太さながらコシも容赦なし。
蕎麦もつゆも非常に強く、相対する2つの要素が止めて揚げて突き抜けました。
素晴らしい。

夜の社交場という雰囲気も持ちながら、蕎麦はしっかり本物です。料理も素晴らしくまた来たいと思わずにはいられない、そんなお店です。
ていうかまた行かなきゃ!

JR成田線でうっかり(?)電車を乗り過ごしてしまったら、成田で降りるのも乙なものですよ。