「和泉庵 わかや」 / 上天二色もり他2008年10月23日 18時22分43秒

またもやぐるっと蕎麦情報より。
今回は銚子のお店、「 和泉庵わかや 」さんに行ってみました。
いずみあん?わせんあん?読み方は分かりませんが、若き店主が切り盛りされる新進気鋭のお店です。
場所はHPに譲りますが、銚子のような古くからの町の裏通りは甘く見てはいけませんね。地図なりナビなりをよく確認した方がいいでしょう。

お店はR356から利根川の方に一本入った、静かな港町の裏通りに居を構えております。
佇まいは昔ながらの町のお蕎麦屋さん+αです。



入口がサッシってところもまた地元っぽさを感じます。
店内はテーブル3、小上がり2、奥に座敷もあるようです。町蕎麦の雰囲気を少し感じつつも、きれいにされています。



お品書きを眺めると、結構数があります。予約制ながら御膳もあるみたいですね。
またうどんも手がけておられる様子。
今回は新店の基本で天せいろへ。でも折角なので「上天二色もり」です。



オーソドックスな天せいろです。写真にあるのは二八で、十割はあとから蒸籠で来ました。

つゆはやや甘口で、喉の奥の方に香りがまとまって入り込むようなタイプです。ダシは程よく効いています。やや薄めですが、なかなかにボディはしっかりしているので、線の細さはありません。
蕎麦は味、香りともになかなかのものです。やや細打ちながらコシはしっかりしています。ざらつきは程よくありますが、つゆと合わせるとつるんと入るタイプです。水分がわずかに多いタイプですね。
蕎麦とつゆの相性は上々です。江戸蕎麦とは違うタイプですが、野暮ったさはありません。
こんなにも海に近い場所だと水の確保が大変な気がしますが、そこは対処されているようですね。
一つもったいないと思ったのは、二八と十割の違いがよく分からない事。私が鈍感なだけかもしれませんが、あまり差は感じませんでした。
おそらく二八も十割も同じような打ち方、ゆで方なのでしょう。結果どちらも似たような蕎麦になります。
まあどっちも美味しいというのが素直な感想ですが、折角二色にするならば、太さを変えるとか水分量を変えるとか、多少変化を付けたほうが楽しめるのではないかと思いました。

天ぷらは海老、平目、牛蒡、銀杏、舞茸です。
衣がちょっと油が抜け切れず、クリスピーな食感だったのは気になりますが、それでも十分美味しいですね。
また港町ならではの魚介類の贅沢さ。平目の天ぷらは本当に絶品です。さすが。

蕎麦の美味さについ、デザート追加しちゃいました。手作りアイスクリームです。



抹茶と蕎麦です。
空気が少なめでやや重たいアイスですが、そういうところも手作りなんだなぁと思わせます。
甘さは程よいので、最後を締めくくるにはもってこいの一品です。

失礼ながら、こんな場所でこんな洗練された蕎麦を食べられるとは・・・想定外でした。
銚子っていうと港町ですので、寿司とか海鮮丼とかに目が向いてしまいますが、実は老舗の蕎麦屋も多い場所。そういうアプローチでこの街をみるのもまた面白いかと思います。
他のメニューもたくさんあるので、また訪れたいと思わせるお店です。



帰りに銚子ポートタワーに寄ってきました。



言わずと知れた銚子の観光スポット。海産物売り場が軒を連ねています。
折角なので展望台からの景色でも。



旭から銚子にかけて、巨大な風力発電の風車があります。写真中央に小さく見えますが分かるでしょうか。