金と命を秤に掛けた愚か者2006年08月11日 20時28分54秒

私のリハビリはまだ掛かりそうです。
補助具無しはまだ難しいのですが、杖一本で何とか歩けるようになっています。
もっとも、ヒザが痛いので長距離は歩けないのですが。

現状を鑑みると、リハビリがまだまだ必要です。
しかし。
厚生労働省がこっそり診療報酬を改悪したおかげで、リハビリが期限付きになり、既に呼吸器疾患を持つ方々のリハビリは、無残にも打ち切られてしまいました。
私は幸いにして、リハビリを継続できるようですが、リハビリを打ち切られた方、これから打ち切られて途方に暮れる方々のことを考えると。
この上ない怒りが湧き上がります。

この”事件”については、以前 こちら の記事で触れました。
その時と意見は変わっていません。むしろ怒りが増大しています。
今回はその続き。

消耗戦の末に・・・ CRASEED Rehablog <Dr. Domen's Blog for Medical Rehab> さま)からのtbです。



自分自身リハビリを継続してきて分かったのが、リハビリというのはモチベーションを維持するのが大変だという事です。
もちろん金銭的な問題も大きく、むしろそれが今大問題なのですが。

私が受けているリハビリは歩行に向けての訓練で、運動器リハビリです。具体的には筋力増大、関節稼動域確保、歩行訓練でしょうか。
ぶっちゃけていうと筋トレです。結構ハードでキツいです。
手術して1ヶ月はベット上でしたし、ぶっとい骨が折れるということはかなりの外圧が掛かっているので、骨折部を中心として結構広範囲に筋肉もダメージを受けているでしょう。
もう半年以上経ちますが、未だにヒザは完全には曲がらず、左足に僅かに麻痺のような感覚があります。
それでもここまで回復してきているので、リハビリとしては成功していますし、自身もそれを実感できます。

しかし。
ここ最近は割りと順調に回復しているにも関わらず。
本当に治るのか?という不安は払拭しきれません。

私ですら、何とかリハビリ継続できる私ですら、ときどきそんな不安に襲われるのです。
リハビリを打ち切られてしまう事の絶望感たるや。
まして、リハビリには機能低下を防ぐ意味でのリハビリもあると聞きます。脊椎損傷患者などは、日々自分の体が衰えないようにリハビリを続けなければならないとか。
回復する見込みの薄いリハビリを続けるというのは精神的に相当なものでしょう。しかしそれでも希望を捨てずに日々の鍛錬に励まれる患者の方々には、本当に頭が下がります。

しかし。
此度の診療報酬改定は、そういう方々の希望を打ち砕くものとなってしまいました。
いや、分かっててやっているのでしょうが。だからこそ余計に腹が立つ。



どこぞのTV番組で、やはりこの問題が取り上げられた時、どこぞの与党のメガネ掛けて太った某議員は、

「医療保険が使えないのなら、介護保険にすればいいじゃないの」

とかマリーアントワネット理論を展開していました。
確かに、医療保険が使えなくなったあとは、介護保険に切り替わるシステムらしいのですが、介護保険使えない人はダメですね。
つまりは小手先の言い訳に過ぎず(言い訳にもなってないが)、本質は患者の見殺しになっていることを否定できていません。
某与党がこんな事言ってるようじゃ、次回選挙も危ういですね。
とはいえその他のファクターを考えると、その他の政党に票を入れようという気持ちは微塵も起こらないのですが。

こんな状況だからこそ、少しでも声を上げて行かなければならないのですが、44万人もの意見をシカトしているぐらいですから、状況は思わしくありません。
敵もなかなか狡猾です。

tb先記事の「最悪のシナリオ」として、

1)まずは、上記の献身的な医療機関が『良心的な』病院、制度にしたがってやむにやまれず打ち切った医療機関が『冷たい』病院、という印象を植え付ける。
2)それでしばらくは見逃しておいて、ある時点から、上記いずれも『違法』であり『不正請求』として、請求額とともに報道させる。医療機関は『不正請求』額を返還し、消耗戦に終止符を打つ。
3)しかしその後、『必要な医療行為を打ち切った』として医師や病院が訴訟の対象になる。
と。かなりリアルな想定です。
徳川家康が江戸幕府を治めるとき、幕府への不満をそらす様に導入した穢多非人制度に近いものがあります。


今回の診療報酬改訂、厚生労働省は「リハビリが無駄に行われていることへの是正」などといっていますが。 どう考えても金絡みです。
確かに日本は借金抱えすぎてアワアワしていますが、それに対する私の意見がタイトルそのものです。

個人的見解で恐縮ですが。
人の命は聖域であり不可侵
でなければならないと思うのです。
聖域なき改革も結構ですが、壊してはいけないものまでぶっ壊してどーすんだと。
百歩譲って自立支援なんちゃらを肯定しても、今回の診療報酬改訂はそれすら否定するものです。
リハビリを経てきちんと回復して自立しようという立場の人間を突き放すものに他ならない。
言っちゃあ悪いとは思いますが、やる気の失せたニートばっかりチヤホヤして障害者を切り捨てる方針は理解できません。

実際にリハビリを打ち切られてしまった患者さんから見れば、真っ先に憎いのは病院かもしれません。
しかし敵を見誤ってはいけません
それこそ黒幕の思うツボです。
今大切なのは、本質を見据え、力を合わせることです。
今回の改訂で一番頭にきているのは、PTの人たちかもしれませんし。
みんなで力を合わせれば、アホの目も覚めるでしょう。



最後に。
某掲示板で障害者を貶すスレがときどき立ちますが。
彼らが障害を負った時に同じスレが立てられるかどうか。
気になるところではあります。
まともに考えて行動できるなら、到底考え付かない事ですからね。

つか・・・厚労省委託の情報工作部隊じゃねーだろうなwww