薬局におけるピッキングの是非2006年08月10日 19時13分46秒

セレキノンとタリオン 薬局のオモテとウラさま)からのtb。

タイトルからはピッキングで鍵開けられたみたいな感じがしますが、違います。
「ピッキング」というのは、薬局で棚から薬を取ってきて行為を指す隠語だそうです。
「Picking」で辞書を引くと、「つつくこと、摘み取ること、選択すること」という意味で、確かに棚から錠剤を選んでくる事も、「ピッキング」ですね。

さてこのピッキング行為ですが、もちろんの事調剤行為なので、基本的に薬剤師しか出来ません
薬局やドラッグストアなどで、処方箋調剤をしてもらう場合には、必ず白衣を着た薬剤師さんが薬を揃えて持ってきて説明してくれる、はずです。ときどき白衣を着てないかもしれませんが。
しかし、そんなイメージとは裏腹に、「この人薬剤師?」という人がピッキングをしている事もあるそうな。
幸い私が行っている薬局ではそういうことはなさそうですが。

このピッキングについては 「処方箋見て棚から薬取ってくるだけだろ?そんなの俺でもできるっつーの」という定型煽り文句 がありますね。
かなり不毛な会話だと思うんですけどねー。
アメリカなどではテクニシャンという医薬品を揃える専門部隊がいて、薬袋に入れて揃えたら、薬剤師が監査する、という流れになっているそうで、「薬を揃えるのは薬剤師でなくてもできる、最後に適切にチェックすればよい」という考え方のようです。
しかしこの制度については、各人いろいろな意見がありそうです。

私は薬局勤務ではないので、堂々と意見ということもはばかられますが・・・一応言ってみましょう。
まず、現状で薬剤師ではない者がピッキングする事は、良くありません
違法か適法かは今後議論の余地がありますが、その結論が出てないうちは、積極的に行うのはダメでしょう。確かに人手が足らないんでしょうけど、どこの界隈も一緒で・・・
ただ、テクニシャン制度は否定はしません。
何でもかんでもアメリカやヨーロッパの真似事をする気はありませんが、良い所は真似したいです。
もちろんテクニシャン導入に際し、法制度を整備してからの話ですが。
しかし、漠然とした不安を感じるのも事実。

日本にテクニシャンを導入した時、どのような資格でどのような教育訓練を受けた技能者であるかは分かりませんが・・・
出来れば、テクニシャンが取り扱えるのはパッケージされた医薬品だけにして欲しいですね。
つまりピッキングのみ。
散剤や水剤は、ただ処方箋見て取ってくるだけではないですから、ここは薬剤師の出番でしょう。
現在の医薬品使用頻度から言えば、薬局で処方されるのはほとんどがメーカーでパッケージ化されたものでしょうから、それはテクニシャンに任せてしまえば、それなりに労力は減ると思います。
畑違いなんで現場の事は詳しくは分かりませんが。。。

医師は医業を、看護師は看護を、薬剤師は薬事を。
そう考えた時、薬剤師の本分は医薬品に関する全てで、特に重要なのはその情報管理です。
例の悪口じゃありませんが、ピッキングならテクニシャンでも出来ます、しかしその情報を適切に処理する事は薬剤師の領域です。
ならば、処方箋監査や疑義照会、薬剤監査、そして服薬指導。これら薬剤師にしか出来ない事に集中する方が、より薬剤師の専門性を活かせるのではないかと思います。