お肉コール、届くか2006年07月22日 11時08分18秒


にーく  それ

にーく  こりゃ

にーく  どっこい



じゃなくて。このネタ誰も分からんし・・・

米産牛肉、輸入再開27日決定…現地査察「問題なし」
(by 読売新聞さま)

BSE問題に際し長らく輸入が禁止されていた米国産牛肉が、また再開されるようです。
前回の背骨混入とかいうあまりにも堂々としたミスは無くなると良いのですが。



そもそも米国産牛肉に関しては、検査体制がしばしば問題視されていて、日米間での意見の相違はもちろん、ライスおばちゃんが逆ギレするというお粗末な展開にもなりました。
BSEについては日本国内でも、検査方法(イライザ法とウエスタンブロット法の検出感度及び結果解釈の問題)でいろいろと世間から不満が噴出しました。
アメリカについて言えば、焦点になったのは検査頭数肉牛年齢確認法
日本が全頭検査を主張するのに対し、アメリカは一部サンプリングで十分だと言う意見。
また年齢確認に検査官の目視を採用し、日本側(主に消費者)からの不安の声が上がりました。

アメリカの対応は、理解できなくもありません。
検査頭数の問題ですが、恐らくアメリカは統計学的処理、ひいてはバリデーションまで行っているかもしれません(ソースが見つからないので予想ですが)。
全サンプリングを回避するための統計処理というのは、医薬品製造においても当たり前のことです。
また検査官による目視ですが、これも検査官の教育訓練や統計学的処理を行ったうえで実施しているはず。
つまり、アメリカはおそらく科学的根拠に基づいて話をしているだろうと思われます(てか、せめてそうであってくれ)。


では、このような詳細を公開・報道しない官庁やマスコミに全責任があるのかというと、必ずしもそうではありません。
アメリカの対応は、大切な事を見落としているのです。
それは日本の顧客の信頼です。

貿易も商売です。
商売である以上、顧客との信頼関係というのは絶対必要です。また商売をするならばそれを最も大切にしなければなりません。
アメリカに足りないのは、日本の消費者の不安を取り除いて安心させるような、自国製品のアピールです。
それをほとんどしないで、日本が突っぱねれば経済制裁だと逆ギレ。これじゃあ日本の消費者が買わないのも当たり前です。
日本の顧客の信頼回復をしなければならないのに、逆に失墜させる一方なんです。

そう。
このBSE問題の本質は信用問題です。
そして、それが分かっていながらロクな対応をしないアメリカがいかに日本をナメているかという事の表れである、と思いますよ。

牛肉が入ってくれば牛丼が復活して嬉しいと言う人も多いでしょうが、私はしばらく牛丼を食べる気にはならないですね・・・

豚丼でも結構美味しいですよ。

ワインの香り2006年05月28日 13時20分03秒

国民宿舎はらぺこ 大浴場の「ワイン化学」からのtb。
ワインの香りの科学(と甲州ワインの宣伝)について。

山梨の甲州ワインは香りが弱いらしい。
私は酒に疎いのでその真意はともかく、香りの原因物質についてちょっとしたサイエンスがあるとのこと。

白ワインの中に十円玉を入れると、ワインの香りが消えてしまうらしい。

十円玉の材質は銅。そしてワインの香りに大きく関与するのが3-mercaptohexanol(3MH)という直鎖アルコール誘導体。
構造式はこちら↓
3-mercaptohexanol

ワインの原料となるブドウはもちろんブドウ畑で育てます。
この際、ボルドー液という農薬を用いるそうです。
ボルドー液は塩基性硫酸銅水溶液。銅を含みます。

一方3MHは香り成分で、ブドウの中にはアミノ酸抱合体として存在します。システインとのジスルフィド結合かな?
これが発酵段階において、酵素的に切断され、3MHがフリーになって香りが生まれるそうです。

ブドウ栽培の際に、ボルドー液をあまり使わないで作ると、香り高いワインが出来上がるとのこと。
つまり、ワイン醸造の段階で、土壌からブドウに銅が移行したのか、或いはブドウの皮に付着したボルドー液由来からか、銅が多く含まれていると3MHと銅が結合し、香りが立たなくなる。
銅はしばしば平面4配位構造となりますから、銅原子1個につき、3MHが2分子くっついて安定化するのだと思います。


ワインの良し悪しは原料のブドウによって大きく影響を受けます。
それはその土地の気候や土壌の栄養状態が左右するのですが、土壌中の重金属含量によってもワインの香りは変わるのかもしれませんね。



言い訳。

本当は3MHの銅原子への配位状態と安定構造をMOPACで計算しようと思ったが、なんか収束しなかった。残念。
重金属を含む計算は難しいのか・・・ハミルトニアンはPM3で合ってると思うのだが。

味の捉え方2006年04月19日 13時40分06秒

こんな経験は無いでしょうか。

「ここはすごく有名な店だからなー、きっと美味しいんだろうなー」と思ったのに大して美味くない。
山歩きして疲れきった時に食べるおにぎりの味がこの上なく美味い。
ピーマン好きとピーマン嫌いがいる。
「空腹にまずい物無し」「満腹にうまいもの無し」
99%カカオは苦すぎて甘く感じる。
ヘルシア緑茶うめぇ。
マラソン後の粉ふきいもは危険

このように、人の健康状態、嗜好、環境によって、美味しいと感じる事と言うのは変わってきます。
観測系によって味という観測結果は変化する。

つまり。



味の特殊相対性理論やー!


この理論をペーパーにしてAngewandteに出します。
出さねえよ!Scheisse!

食品添加物の恐怖・・・?2006年04月12日 00時39分19秒

[videonews.com] 丸激トーク・オン・ディマンド更新しました
by MIYADAI.com Blogさま

「VIDEONEWS.COM」にて食品添加物についてのトークがありました。
私はプレビュー版までしか見ていないうえに、講師である安部氏の著書も読んでいないので、話途中でのコメントになってしまうことはご容赦ください。


VIDEONEWS(プレビュー版)では、安部氏が食添の説明をし、その場でとんこつスープを作ってみせています。
正直、感動しました。すげぇ。
ほとんど秤量もしないでぱっぱっとスパーテル(薬さじ)で入れただけで出来ちゃうんだもの。まさに魔法使い。



で。
トーク中、気になることがありました。
メインパーソナリティの神保氏からこういう言葉が。

これって野菜から作るんですか?工業製品なんですか?

これ、何気ない一言だと思うんですけど、実は”物”をどう捉えるかが如実に出るところなんですよね。
多分、食品については”自然”は良しとして”工業製品”は悪しきもの、というイメージがあると思います。昨今のスローフードブームからも分かるように、自然回帰主義的な考えが強くなっていますし。
しかしそれは、製品に対して”消費者の”品質管理意識が低下するという危険性をはらんでいると思います。
例えば、農薬の危険性があまりにも叫ばれたせいで、逆に”無農薬”とつけば安心してしまう。
”自然”だから大丈夫。
”工業”だから危ない。
危険な考え方です。”○○だから大丈夫!”と昔の某番組でよく聞いた様なフレーズに騙されてしまう。

これが如実に現れるのが”漢方薬”に対するイメージでしょう。
多分漢方薬のイメージは、苦い、古い、効き目が穏やか、安全、年寄りが飲むもの、などじゃないでしょうか?
しかし小柴胡湯とインターフェロンの相互作用によって、間質性肺炎で十数人死亡している事例から、”自然”の生薬から作った漢方薬は決して穏やかでも手放しで安全と言うわけでもない。
(もっとも、この症例は漢方的な診断・処方に基づいてないために起きた例であり、決して小柴胡湯だけが危険だというわけではない)
私が学生の時に、大黄甘草湯を飲んだら下痢が酷くて脱水症状になりかけた人がいました。症状がまだ軽い人(漢方用語で陽病期)に処方する漢方は、結構強いものがあるので注意が必要です。

”自然”というのはあくまでも製品の情報の一つでしかなく、品質の全てを担保する魔法の言葉ではないという事を意識すべきです。



話を添加物に戻します。

添加物については、私もあまり入っていないほうがいいだろう、とは思いますが・・・現在の食生活全般を考えると、添加物が無い食品と言うのは考えられないのも事実です。
それに添加物にも種類があり、ヒトへの影響の大きいものと小さいものがあります。それらを全て悪者扱いするのはムリがあるでしょう。
例えば、味を調えるために用いるクエン酸やリンゴ酸。これらの添加物は、生体内にも存在する物質ですから、人体への悪影響はほとんどないのではないかと思います。

ちょっと気になるのが”保存料”と”防カビ剤”です。

保存料の多くは安息香酸誘導体で、発がん性と変異原性が認められるということですが、食品中の濃度との兼ね合いもあるので一概に”食べたら危険!”だとは言い切れません。
ルートビアの一つには安息香酸メチルが大量に入っているものがありましたが、それは添加物以前に味の問題があるので大量摂取は非現実的かと思います(でもアメリカの子供はふつーに飲んでいるんですよね・・・)。

問題は防カビ剤です。
主に原材料(米、小麦粉、野菜、果物など)の輸送において使用されますが、これが直接ぶっ掛けられるのはかなり危険です。
ポストハーベスト農薬の危険性は以前から叫ばれています。日本国内では使用禁止だそうですが、輸入品は気をつけたほうがいいでしょうね。
防カビ剤のOPP(o-phenylphenol)などは、構造見た時点で「ちょっとヤバくね?」と考えちゃうようなもので、そんなもんが米や小麦粉に直接掛かってると知ったら、さすがに怖くて食べられません。
加工食品だけじゃなく、生の食品にまで添加物の心配をしないといけないと言うのは・・・食の安全性からみて大問題だと思うのですが。



さて。
このように、種々の迫害を受けている食品添加物ですが、食添プロフェッショナル安部氏の姿勢は以下の通り。

むしろ問題は、食品表示もろくに見ずに添加物を平気で子供に食べさせている親たちの意識の方だと安部氏は言う。現行の食品表示法制には弱点はあるものの、添加物がどの程度使われているかは、食品表示を見ればある程度わかるようにはなっている。それをろくにみもせずに、安直に添加物漬け生活を送る人が多すぎると言うのだ。

・・・・・その通り!

コンビニ弁当などを見ると食品添加物の表示はあります。残念ながら使用量は分かりませんが、どういうジャンルのものを用いているのかは大体分かります。
それを見もせずに添加物漬けの食生活を送るのは良くないし、さらに添加物が悪いと喚きたてるのはもっとタチが悪い。
予想ですが、食品にどんな添加物があるのかまでは見てくれるでしょうけど、その添加物がどう体に悪いのか調べる方はごく少数でしょう。さらに定量的に摂取量との相関まで調べる人はもっと少ない。
添加物に文句を言うならば、少なくともそのぐらいは調べないと意味を成さないでしょうね。

付け加えると、添加物濫用を招いたのは現代生活そのもの、つまりは自分自身にツケが回ってきている事も考えるべきではないかな。



では。どうやって添加物と付き合っていくか。

一つ目は使用されている添加物をきちんと把握する事。
これは食品メーカーの努力と消費者の意識が合致しなければ出来ません。また官公庁は添加物摂取量と危険性を定量的に判断できるようなものを作る。食品表示と一日摂取量を勘案して、納得した上で消費するのが望ましいと思います。
もっとも、いきなりやるとコンビニ弁当不信になってしまうので、緩やかに。

二つ目は、不要な添加物を使わなくする事。
防カビ剤などは輸出入に時間が掛かるから使うわけで、それらをクリアすれば必要ない、つまりロジスティクスの発達で添加剤を減らせる。またパッケージの改良によっても保存料を減らせるだろうし、発色剤などは消費者が本来あるべき食品の外観を知っていれば必要ないはず。
逆の発想として、添加物の改良でより安全性の高いものを開発する、という本末転倒な事も考えられたりします。でも大切かと。

三つ目は、添加物にまみれた食生活そのものを改善。
私自身実践できてないので偉そうな事は言えませんが、コンビニ弁当を止めてちょっと時間がかかっても自分で作るようにする。一食だけでも改善できれば効果は大きいと思います。
カップラーメンとか清涼飲料水を減らすだけでもかなり添加物は減りそうです。だからって健康になるとは保証できませんが・・・



消費者が直接口にする食品だけに、添加物への関心は非常に高くなっています。
しかし、薬はまた毒となり、添加物も然り、という事を常に頭に入れておくべきでしょう。
”DHMO”じゃないですけど、小難しい横文字に扇動されないように気をつけてほしいものです。