「うぶすな」 / 天せいろ他2007年08月03日 15時08分53秒

さつきが丘の「 うぶすな」さんに行ってきました。
場所はお店のHPに譲りますが、さつきが丘の住宅街の中なので、少々ややこしいかもしれません。

佇まいは落ち着いたもので、上品です。古くはありませんが、浮ついたものではありません。



入口は玉砂利や石灯籠など、日本庭園を意識しているようです。

店内はこれまた木をベースにしたゆったり空間です。



席は長テーブルに6人、丸テーブル×2に3人ずつ、他にもありそうです。
それほど広くは無く席数も多くは無いので、すぐにいっぱいになっちゃいそうですね。

席に着くと、お凌ぎに揚げ蕎麦を頂きました。



切れっ端も入っていて遊び心豊か。蕎麦の甘みがかなり強烈に感じられ、塩梅も良い。
酒呑みにはいいアテですよね、これ。

さて今回は基本に立ち返って天せいろ・・・に加えて玉子焼きも食べちゃえ。

最初に玉子焼き。



キレイ。あまり焦げ目はありません。
実にふんわり仕上がっていて、しかも甘さは控えめ。玉子焼きというと甘いところも多いのですが、実はあまり好きではなく、むしろダシと塩気が多い方が良いのです。こちらの玉子焼きはほぼ理想形です。蓬庵に匹敵。

今度は本命の天せいろ。最初に天ぷら、途中に蕎麦が着ました。
順番が前後しますが、蕎麦から。



つゆは奥行きがあり、立体的です。口に含んでから一間合い置いた後に、味を感じます。やや辛口ですが、甘さもそれなりに深い。ダシもやや強め。しかしそれを前面に感じない、不思議なつゆです。なんだか口の奥の方で味わっているような、妙な感覚です。全体像をなかなか見極められないミステリアスさが魅力ですね。
蕎麦はニ八。味、香りは端境期の割には強く、コシがかなりしっかりしています。ざらつきは程ほどにあり、呑んでも噛んでもいけます。見た目の量の割にはお腹に溜まります。

天ぷら・・・はかなり盛りだくさんです。



えび、にんじん、しいたけ、かぼちゃ、なす、さつまいも、ししとう、しょうが、しそ、みょうが、ごま豆腐、アジ。
天せいろは1680円で高いなーと思いましたが、この天ぷらの量だったらむしろ安いです。
油はあまり感じず、美味しく揚がっています。ただあまりにも量が多いので、途中で冷めてきてしまいました。二人以上でつつきあう方がいいかもしれません。

蕎麦も天ぷらも実に素晴らしく、食べ応えがありました。ここは外せないです。
場所が少々辺鄙ですが、駐車場も少しありますので、機会を見て行ってみて下さいな。味は保証できますよ。

過ぎたるは及ばざるが如し2007年08月08日 16時54分38秒

日本の受動喫煙対策「先進国で最低レベル」
(by 読売新聞さま)

今や職場や公共施設だけでなく、飲食店やバーでも「禁煙」が世界の潮流になりつつあるのに、日本ではせいぜい「分煙」どまり。対策がなかなか進まない現状に対し、各国報告書を集計したNPO法人日本禁煙学会では「日本は先進国の中で最低レベル」の烙印(らくいん)を押している。
同学会では、日本は公共の場でさえ禁煙ではなく分煙を基本としているとして「対策はまったく不十分」と指摘する。その原因として関係者が共通して挙げるのは、受動喫煙対策を義務付ける法律がないこと。受動喫煙対策を研究する産業医科大の大和浩教授の調査によると、フランス、イギリス(イングランド)、イタリア、カナダなどの先進国では、公共の場での建物内禁煙や完全分煙を法律で義務付けている。
大和教授の調査では、厚労省の指針で推奨されている喫煙室や喫煙スペースでも煙の漏れは防げない。喫煙後の呼吸にも煙は含まれており、喫煙室から出てきた人の“まき散らし”も問題という。「建物内禁煙の義務付けが理想だが、せめて受動喫煙対策を義務付ける法律だけでも作るべきだ。自主改善に任せるのは放置しているのと一緒だ」と大和教授は指摘している。
(強調は筆者)

うーーーーーーーむ・・・
私は極嫌煙家ではありますが、さすがに無条件禁煙はかわいそうかなぁと思ったりします。
なので、分煙が高度に進化すれば、多分カドが立たずに丸く収まると思ったのですが・・・世界の要求事項はそんなに甘くないと言う事でしょうか?
この世からタバコが無くなってくれればこれほどいい事はないと思いますが、それでは喫煙者があまりにも不憫とも言えます。せめて適切な場所でなら吸うぐらいの権利はあって然るべきでしょう。

完全な禁煙は恐らく日本では難しいでしょう。関係団体の抵抗もさることながら、喫煙者がそれに対応できるわけが無い。
そう考えると、譲歩に譲歩を重ねた苦渋の選択として、分煙は致し方ないかと思います。
もちろん、現状上げられている分煙制度の問題点のクリアは当然要求されます。
肺に溜まった煙まで問うのは神経質すぎる感はありますが、無視は出来ませんね。
例えば、喫煙所を二重構造にしてエアカーテンを設ける。喫煙所から退出する人はエアカーテン内で一定時間呼吸する事で換気を行う、とか。
もちろんそうした設備の財源はタバコの値上げで賄うのが筋ってもんです。

日本が寛容なのか世界が厳しいのかの判断はつきかねますが、このような状況は喫煙者のマナーと意識の無さが招いた自業自得だという事は、肝に銘じて欲しいものです。
タバコは嗜好品であり文化的な側面があることは認めますが、文化の名において人に迷惑を掛けるような事は絶対あってはならないことです。

「珈楽庵」 / 花鏡+ツナと野菜のヘルシーサンド2007年08月08日 19時49分57秒

「珈楽庵」さんで遅めのランチ。

この日はとても天気が良くて暑かったです。建屋の白壁が光っています。



通りからでも目立ちますね。いやでも目に入るので、見つけるのは簡単。

いつもはコーヒーですが、ランチなので軽食も。
コーヒーは「花鏡」。ランチは「ツナと野菜のヘルシーサンド」です。



コーヒーは苦味や酸味があまり無く、むしろ甘みがあり、香りも程よい。ここのコーヒーは軽めのものが多いです。ブラック党ではありませんが、ここのだったらいけますね。むしろミルクや砂糖を入れるのがもったいないぐらい。
サンドイッチはシンプルなもので、軽食って感じですね。\800と少々高めです・・・

まあ、あくまでコーヒー専門店なので、食事はオプション。そう割り切っていた方が良いでしょうかねー。
甘味の方は容赦ないですが。

トヨタ・ライトウェイトスポーツの開発へ2007年08月10日 22時07分07秒

トヨタ、スポーツ車開発へ=若者向けに、富士重と共同で

トヨタ自動車が、資本提携先の富士重工業と共同で、小型スポーツ車の開発を検討していることが10日分かった。排気量は2000cc以下となる見通しで、発売時期は未定。国内の自動車販売台数が減少を続ける中、特に「クルマ離れ」が進んでいる若者の関心を引きつけ、市場を活性化させる狙いがある。

願いが通じたのかな。
いやトヨタの人もそうした危惧はあったけど開発がなかなか出来なかったという事かな。

2リッタークラスかそれ以下のスポーツということで、まあよく分かっているというか。新規開拓を狙っているものと思われます。
現行のスポーツカーは大排気量にターボで武装したハイパワーな車が多く、サーキットでもないと性能を発揮できませんね。そう考えると扱いきれるパワーにとどめてドライビングプレジャーを優先させる方が、結果的にプラスになると思います。
運転の楽しみはスピードやパワーだけではありません。
しかもスバルとの共同開発ということで、エンスー魂をどこまで奮わせてくれるクルマが出来るのか、楽しみです。

スバルとの共同開発で気になるのがエンジン。まさかボクサーには手を出さないとは思いますが、何がしかのスバルテイストが入るのか、気になりますね。
駆動形式もAWDを採用するのか、スポーツカーの王道FRか。或いはFFでスポーツを追及してホンダ・シビックTYPE-Rをライバルとするのか。
個人的な関心事としてはトランスミッション。スポーツカーならば当然MTがあるでしょうが、それ以外にはどのような技術が投入されるのか。ATももちろん作るのでしょうが、VW・DSGのような画期的なメカニズムがあるかどうか。
興味は尽きません。

その時に自分が買うかどうかは別ですが、スポーツ魂がまだ失われていないってことで、ほっとしました。

今そこにある命と未来にあるべき命と2007年08月11日 22時53分34秒

インド高裁によるノバルティスの請求棄却に関して
薬事日報さま)へのtb。

Summary
グリベック メシル酸イマチニブ(Imatinib mesilate)錠。
慢性骨髄性白血病などの原因となる遺伝子の異状により生じた
遺伝子産物(チロシンキナーゼ)の阻害剤。
の発売元であるノバルティスファーマ社が、インドにおいて物質特許申請を行っていたが、却下された。同社はこれを不服とし控訴したが、8月6日、チェンナイ高等裁判所はこの訴えを棄却。

ノバルティス社は、以下3点を主軸に訴えを起こしていた。

<1>
インド特許法の「既知の物質にマイナーな改良を加えた医薬品については、著しい効果の改善につながるものでなければ特許性を認めない」という表現は曖昧であり、特許承認権限者に専横的な権限を与える事になり、インド憲法につき違憲である。
<2>
物質特許申請に対し却下の裁定を下した特許庁の人物と、特許庁の裁定にについてインド知的財産権上訴委員会(Indian Patent Appellate Board:IPAB)に訴えた際の担当官は 同一人物 当時特許庁に所属し、後にIPAB担当官になったと思われる であり、担当者の変更を要請。
<3>
インドの特許法は他のWTO加盟国の特許法と異なり、TRIPS協定に違反するものである。

この3点につき、チェンナイ高裁は、「インド特許法はインド憲法に違反していない」「WTOの問題は当法廷の裁定権限外である」とした。またIPAB担当官の問題もこれを棄却した。

なおノバルティス社の今回の提訴につき、某国境無きNGO団体など多数から、提訴の取り下げが要求されていた。

この判決について、ノバルティス社の意向は未発表。←いまここ


(内容に不備があるかもしれませんので、ご確認ください)

というものです。
当blogにおいても同様のケースについての記述がありますので、ご参照ください。

命と薬と思想の価値(1)
命と薬と思想の価値(2)
命と薬と思想の価値(3)
ジェネリック医薬品って何者?

最初から書くと非常に長いので、上記記事をご一読されている事を前提として始めます。



至極大雑把に背景をかいつまんでみると。

新薬には20~25年はパテントがあり、ライセンス料の分上乗せされて価格はどうしても高くなってしまう。

特許は基本的に国内法であるが、TRIPS協定により他国であっても勝手に製造販売は出来ない。

しかし、例えば抗HIV薬のように絶対必要であるにも関わらず、新薬が高くて十分に供給できないケースがあるので、TRIPS協定を一部曲げて、パテント期間内であっても、安価に ジェネリック医薬品 ジェネリックとはいうものの、新薬のパテントが終了していないのでコピー薬というニュアンスが正しいかと思われます。
もっともコピーとはいえど品質に関してなんら言及していない事にはご留意下さい。
を製造販売できるようにしよう。
ドーハ宣言
(内容に関してはご確認ください。個人的な所見ですので保証はいたししかねます)

私個人のスタンスとしては、

「ドーハ宣言はあくまで緊急避難的措置である」
です。
(ドーハ宣言自体もそういうニュアンスのようですが、ソース見当たらず。。。)

以前はHIV治療薬の話で、今回は違うジャンルの医薬品です。が、中身はほとんど一緒です。
そしてこの点について、以前と考えは変わっていません。

「なぜ新薬にパテント料が発生するのか考えて欲しい」
「その場凌ぎの対応だけでは、長期的視点から言えば全員死んでしまう」

未だそのことを理解できていない団体さんがいらしたのは、非常に残念です。
腹が減ったからといってニワトリを食ってしまったら、もう卵は産んでくれません。



断っておきますが、「緊急避難」であるならば致し方ない、と言う点は、消極的ながら賛成です。
患者さんに医薬品を確実に供給する事は、医療人ならば誰もが分かっていることです。
そして金勘定なんてのは患者さんに押し付けてはいけない問題です。

この問題について最も不服だと思うことは、製薬企業が自腹を切っていれば済む事だという流れです。
気持ちは分からないでもありません。目の前の患者を救うことが医療人の最優先事項です。
しかし。
それだけしか考えていないようでは、真に救う事にはならない事に気が付いているのでしょうか。

これはもはや国家的、インターナショナルな取り組みの問題です。
一企業が自己犠牲の精神で奉仕すれば解決する、なんて甘い問題じゃありません。
本来は 国を挙げての取り組みで解決すべき問題 一企業に対しての自腹の強要なんてのは責任転嫁の極みでしょう。
文句を言う事はあっても、金を出す事は無い団体さんの思考は停止していませんか?

私は、公的資金の注入が最も筋の通った解決だと思っています。
医薬品はTRIPS協定に基づき、正規の価格で提供。
まず国がそれを一度買い上げ、価格をジェネリック並にして国民に配布。
国家予算の財源に関しては、ODAなりの援助で賄う。
そうすることが最もスマートだと思います。
少なくとも、一企業に対する自腹の強要よりは真っ当な意見だと思ってます。
そしてそのような国家の取り組みに対してのアドボガシー運動こそNGOなりNPOのすべき事ではないのでしょうか。

相手を見誤ってはいませんか。
のはずなのに、なぜか一企業へのバッシングに終始しているのは、なんとも理解しがたく時間の浪費だと思わざるを得ません。
焼け石の水の対症療法だけでは何も解決しません。むしろそういうことを主張していくのがNGOの役割じゃないんですかね。
少なくとも、訴えを取り下げろと言う要求は、お門違いに思えて仕方ありません。

この問題を、銀行と貧困層の方々という図式に置き換えて考えた場合。
「金が無くて困っている人がいるんだ。銀行は自腹でそういう人たちに金を配れ」
と言っているのと似ています。
金を配って貧しきを救う。大層ご立派ですが、それで銀行がつぶれたらどうしましょう。



基本スタンスは変わりませんのでこの辺で終わりますが、最後に。

暗いと不平を言うよりも、進んで明かりをつけましょう。
明かりのつけ方を知っているなら尚更です。